車検でマフラーが見られるのは、音の大きさ、交換したマフラーの表示、消音器の構造、取り付け位置、触媒、傷みの6つです。
音の上限(近接排気騒音)は今走っている乗用車の多くで96dBで、新しい騒音規制の車は、純正のままなら「新車のときの値+5dB」が上限です。
社外マフラーに替えた車は、2010年4月以降に作られた車かどうかで必要なものが変わります。
この時期より後の車は、加速したときの音の基準に合うことを示す「性能等確認済表示」などがないと通りません。
一方で、「車検対応」と書かれているだけでは合格の証明にならないと、検査を行う自動車技術総合機構は案内しています。
この記事では、道路運送車両の保安基準と、検査の手順を定めた自動車技術総合機構の審査事務規程の原文を読み、年式別の音量の上限、表示の見方、地上高と突き出しの寸法、マフラーカッターや触媒の扱い、通らなかったときの対処法を順にまとめました。
この記事の結論
- 音量の上限は、今の乗用車の多くが96dB(エンジンが後ろ寄りの車は100dB、貨物車は97dB)。2016年10月以降の新型車などは「車検証の備考欄の値+5dB」の決まりも加わります。
- 2010年4月以降に作られた車は、交換したマフラーに性能等確認済表示(JQR・JATA・JARIなど)や純正の刻印などが必要です。「車検対応」の文字だけでは通りません。
- 地上高は9cm以上で、後輪より後ろは離れるほど高さが要ります。2017年10月10日以降に作られた車は、出口の突き出しが車の最後端から50mm以内なら位置の基準に合うものとして扱われます。
- 触媒を外した車や、穴・排気漏れのある車は通りません。社外マフラーの車は、見積もりの段階で実車を店に見てもらうと、通るかどうかを先に確かめられます。
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車検でマフラーが見られる6つの項目|まず一覧で確認
車検では、マフラーを外して中を調べるわけではありません。
目で見る確認、表示や書類の確認、騒音計などでの測定を組み合わせて、保安基準に合っているかを判定します。
| 項目 | 車検に通らない状態の例 | 根拠(審査事務規程など) |
|---|---|---|
| 1. 音の大きさ | 近接排気騒音が上限を超えている | 保安基準第30条、9-5 |
| 2. 交換したマフラーの表示 | 2010年4月以降に作られた車で、性能等確認済表示などが確かめられない | 細目告示第196条、7-56 |
| 3. 消音器の構造 | 消音器を外した・切った・中の消音部品を抜いた。2010年4月以降の車は、ボルトや接着で留めた消音部品も不可 | 細目告示第196条、7-56 |
| 4. 取り付け位置 | 地上高が足りない。出口の突き出しが大きい(2017年10月10日以降の車は最後端から50mm以内が目安)。取り付けが確実でない | 保安基準第3条・第18条・第31条、7-3・7-63 |
| 5. 触媒と排出ガス | 触媒を外している。COやHCの濃度が基準を超える | 保安基準第31条、7-59・9-6 |
| 6. 傷み | 消音器の穴や腐食、排気漏れ | 細目告示第196条、7-56・7-63 |
※番号(9-5など)は自動車技術総合機構の審査事務規程の節。登録車の検査の手順を定めたもので、軽自動車は軽自動車検査協会が検査するが、基準(保安基準・細目告示)は同じ。

純正のマフラーのままで傷みがなければ、ほとんどの項目は問題になりません。
審査事務規程でも、新車に付いているものと同じ純正マフラーで傷みのないものは、音の上限を超えるおそれがないものとして扱えることになっています(9-5)。
気をつけたいのは、社外マフラーに替えた車と、古くなって傷んだマフラーです。
次の節から、項目ごとに基準と確かめ方を見ていきます。
マフラーの音量の上限|年式と車の種類で96dB・100dB・103dB
車検で測る音は「近接排気騒音」です。
止めた車のエンジンを決まった回転数まで上げてから戻し、マフラーの出口の近くで音の大きさを測ります。
車の種類別の上限|今の乗用車の多くは96dB
| 車の種類 | 上限 | 古い車の上限 |
|---|---|---|
| 乗用車(乗車定員10人以下。軽の乗用車を含む) | 96dB | 103dB |
| 乗用車のうち、エンジンが後ろ寄りの車(リアエンジン車など) | 100dB | 103dB |
| 貨物車(軽トラック・軽バン、車両総重量3.5t以下のトラック・バン) | 97dB | 103dB |
※審査事務規程9-5。「古い車」は、乗車定員6人以下の乗用車なら1999年8月以前、7〜10人の乗用車なら2001年8月以前、貨物車は車の種類により2000年8月〜2002年8月以前に作られた車(国産の継続生産車の場合。新型車はこれより早く、輸入車は遅い時期から96dBなどの上限になる)。「エンジンが後ろ寄り」は、エンジンの前の端が前後の車軸の真ん中より後ろにある車。型式指定を受けた車で1971年3月以前(型式によっては同年12月以前)に作られたものなど、ごく古い車は、近接排気騒音ではなく後方20mで測る排気騒音(85dB)で判定する。
古い車は上限が103dBと高めですが、消音器を外したり切ったりしたものは音の大きさにかかわらず不合格です。
新しい騒音規制の車は「車検証の備考欄の値+5dB」
2016年10月以降に型式の指定を受けた新型車と、2022年9月以降に作られた車(輸入車は2023年4月以降)は、「平成28年騒音規制」の対象です。
この規制の車は、新車のときに測った近接排気騒音の値をもとに上限が決まります。
新車のときの値と測った回転数は、車検証の備考欄に書かれています。
電子車検証でも、この騒音の情報は券面の備考欄に印字される項目です。
| マフラーの状態 | 近接排気騒音の上限(乗用車) |
|---|---|
| 純正のまま | 備考欄の値+5dB |
| 近接排気騒音値が書かれた性能等確認済表示のマフラーに交換 | 表示の値+5dB |
| それ以外のマフラーに交換・改造 | 96dB(後ろ寄りのエンジンの車は100dB)。ただし備考欄の値が91dB(後ろ寄りは95dB)を超える車は備考欄の値+5dB |
※審査事務規程9-5(4)。車両総重量3.5t以下の貨物車は、交換・改造した場合97dB(備考欄の値が92dBを超える車は備考欄の値+5dB)。国土交通省の例では、新車のときの値が92dBの乗用車に交換用マフラーを付けると上限は97dB。
純正のままでも、傷んで音が大きくなり、備考欄の値から5dBを超えれば不合格です。
社外マフラーに替えた新しい車は、表示に書かれた値と、自分の車の備考欄の値の両方を確かめておくと判断しやすくなります。
車検での測り方|出口から50cm・斜め後ろ45度
- 車を止め、ギアをニュートラルにする
- エンジンを最高出力が出る回転数の75%まで上げて数秒保つ(新しい騒音規制の車で純正のままなどの場合は、回転数に応じて50%や3,750回転などで1秒以上)
- アクセルを急に戻し、アイドリングに戻るまでの一番大きな音を読む
- マイクは出口から50cm、外側の斜め後ろ45度、出口と同じ高さ(20cm未満なら20cm)に置く
- 2回測って平均する(それぞれ1dB未満は切り捨て)。2の括弧内の場合は3回の平均を四捨五入する
※審査事務規程 別添9・別添10。測った値の差が2dBを超えると、その測定は無効。出口が2本以上あって間隔が30cmを超えるときは、それぞれを測る。
検査場では、社外マフラーの車も、簡易な測定(スクリーニング)で上限より3dB以上低ければ、基準に合うものとして扱えることになっています(9-5)。
上限に近いマフラーは、決められた方法で測って判定されます。
上限ぎりぎりのマフラーは、車検の前に店で音を測ってもらうと、当日の不合格を避けやすくなります。
消音材が傷むと、同じマフラーでも年々音が大きくなることがあります。
社外マフラーは「性能等確認済表示」を確認|2010年4月以降に作られた車
2010年4月以降に作られた車は、交換したマフラーが加速したときの音(加速走行騒音)も抑えるものでなければなりません。
車検では加速走行騒音を測らないので、マフラーの表示や書類で基準に合うことを確かめます。
表示が必要な車と、いらない車
| 作られた時期・車 | 交換したマフラーに必要なこと |
|---|---|
| 2010年3月以前に作られた車 | 表示はいらない。消音器を外していない・切っていない・中の消音部品を抜いていない・穴や腐食がないこと、音量が上限以下であること |
| 2010年4月以降に作られた車(乗車定員10人以下の乗用車、車両総重量3.5t以下の貨物車) | 上の条件に加えて、性能等確認済表示などで加速走行騒音の基準に合うと確かめられること。ボルトや接着で留めた消音部品は不可 |
| 乗車定員11人以上の車、車両総重量3.5t超の車 | 性能等確認済表示の制度の対象外(別の基準で判断) |
※適用関係告示第27条第23項・第24項、細目告示第196条、審査事務規程7-56。
作られた時期は、車検証の初度登録年月とずれることがあります。
車検証の備考欄にある「マフラー加速騒音規制適用車」などの記載も、見分ける手がかりになります。
国土交通省はこの仕組みを「交換用マフラー事前認証制度」と呼んでいて、「政府認証」「認証マフラー」と呼ばれることもあります。
確かめられているのはマフラー単体ではなく、表示に書かれたエンジンの車に付けたときの性能です。
性能等確認済表示の見方
性能等確認済表示は、国土交通大臣に登録された機関が、そのマフラーを付けた車について音の試験などで基準に合うと確かめたことを示すものです。
マフラーの本体に、英字と数字が並んだプレートや刻印として付いています。
| 表示の部分 | 意味 |
|---|---|
| 先頭の英字(JQR・JATA・JARIなど) | 性能を確かめた機関の略称 |
| 数字の1桁目 | マフラー(消音器)の個数 |
| 数字の2桁目 | 触媒付きなら1、なしなら0 |
| 数字の3・4桁目 | 確かめた年(西暦の下2桁) |
| 数字の5桁目以降 | 機関が付ける番号 |
| 末尾のS | 加速走行騒音が76dB以下(乗用車などの場合) |
| 末尾のA・P | 新しい騒音規制(国連の協定規則第51号など)の試験に合格したもの(Aは新規登録の検査に必要な基準にも合うもの) |
| 原動機型式(例:EG1、ターボ付きはEG1t) | 取り付けられる車のエンジンの型式 |
| 〇〇dB | 取り付けたときの近接排気騒音値(新しい様式の表示だけ) |
※細目告示 別添112「後付消音器の技術基準」の様式。確認機関は、審査事務規程7-56で一般財団法人日本自動車研究所、株式会社JQR、公益財団法人日本自動車輸送技術協会、一般社団法人JMCA登録性能確認機関(二輪車用)の4つ。純正と同じ構造の交換品は「略称・製作者の商標・R」の表示になる。

表示を見つけたら、原動機型式が自分の車と同じかを、車検証の「原動機の型式」と見比べてください。
表示に書かれていないエンジンの車に付けたマフラーは、その車で性能を確かめたことになりません。
表示のほかに認められるもの
- 純正マフラーの表示(自動車メーカーの商号や商標の刻印)
- 装置の型式指定を受けたマフラーの表示(「自」の字のマーク)
- Eマーク・eマーク(国連の協定規則第59号や欧州連合の指令に合う交換用マフラーの表示)
- 公的試験機関の加速走行騒音試験結果成績表(ワンオフのマフラーなど。交換後の最初の車検は原本、その後は写しでよい)
- 輸入車のCOCペーパーやWVTAラベル、車体のデータプレートのEマークなど、車が国連や欧州連合の騒音基準に合うことを示すもの(マフラーに車のメーカーの商号や商標があるもの)
※審査事務規程7-56-2-2・7-56-6-2-2。試験結果成績表は、試験した車と受ける車の車名・型式、原動機の型式、マフラーの個数、マフラーの外観の写真などが同じかを確かめられる。新しい騒音規制の車は、成績表や外国の書類を運転するときに車に積んでおくことが求められる。
ただし、どの表示があっても、近接排気騒音の上限や地上高などは別に満たす必要があります。
JASMAのプレートや「車検対応」の文字との違い
JASMA(スポーツマフラーの業界団体。今は日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会に合流)のプレートは、業界団体が自主基準で認定した製品に付けるものです。
業界団体の案内でも、2010年4月以降に作られた車向けの製品は、確認機関による性能等確認済表示が必要とされています。
名前の似たJASMAとJQR
確認機関のひとつのJQRは、国に登録されたときは「株式会社JASMA」という名前でした。
混同されやすいので、表示の先頭の英字が確認機関の略称かどうかで見分けてください。
「車検対応」の文字だけでは通らない
自動車技術総合機構は、「車検対応」などの表示は部品の製作者が自分で判断して付けているもので、検査ではその表示だけで基準に合うものとは扱わないと案内しています。
同じ部品でも、付ける車や付け方によって基準に合わなくなることがあるためです。
取り付け位置の基準|地上高9cmと出口の突き出し50mm
地上高は9cm以上、後輪より後ろは離れるほど高く
マフラーを含む車の下の部分は、地面から9cm以上離れていなければなりません。
さらに、後輪より後ろの部分は、後輪の中心から離れるほど高さが必要です。
審査事務規程7-3の式では、後輪の中心から測った距離(cm)に0.11を掛けて2を足した値が、必要な地上高(cm)になります。
出口がバンパーの下の後ろ寄りにあるマフラーは、9cmあっても足りないことがあります。
| 後輪の中心から後ろへの距離 | 必要な地上高 |
|---|---|
| 72cmまで | 9cm |
| 73〜81cm | 10cm |
| 82〜90cm | 11cm |
| 91〜99cm | 12cm |
| 100〜109cm | 13cm |
※審査事務規程7-3-1の式(後輪の中心からの距離×0.11+2cm)で計算。測った値と基準の値はどちらも1cm未満を切り捨てる。空車の状態で、車高調整式のサスペンションは標準(中間)の位置で測る。前輪と後輪のあいだは「ホイールベース×0.02+4cm」以上で、ホイールベースが3m未満の車は9cm。
この測定の対象は、車高を下げたりマフラーを替えたりして、地上高が低くなる改造をした車です。
接触の衝撃に十分耐える丈夫な部分や、アンダーカバーで守られた部分は5cm以上でよいという例外もありますが、当てはまるかどうかは検査で判断されます。
出口の突き出しは車の最後端から50mmまで
2017年10月10日以降に作られた車は、排気管の出口が車の最後端にならない位置にあれば、ほかの交通の安全を妨げない排気管として扱われます(審査事務規程7-63)。
排気管を除いた車の最後端からの突き出しが、50mm以内ならこの扱いを受けられます。
幅の方向も同じで、出口が車の最も外側にならない位置であることが条件です。
この位置から外れた出口は個別に判断されるため、通らないことがあります。
それより前に作られた車に寸法の決まりはなく、歩行者などの通行を妨げるおそれがないかで判断されます。
よく見る「フロアラインから10mm」は、乗用車の外装の基準(国連の協定規則第26号。新車の型式認証などで使う)の条文です。
この基準では、出口の端を丸めて曲率半径2.5mm以上にしてあれば、10mmを超えて突き出してもよいとされています。
出口の向きと、そのほかの決まり
排気管の向きそのものの基準は、国土交通省がすでに廃止しています。
横出しや斜め下向きの出口でも、向きだけで不合格にはなりませんが、次の点は見られます。
- ナンバープレートの数字などを、排気で見えにくくする位置に出口がないこと
- 車内に排気が入りにくいように配管されていること(出口が後輪の中心より後ろにあるものなどは適合とされる)
- 熱や排気で車や荷物が燃えたり、ブレーキや電気装置の働きを妨げたりするおそれがないこと
- 確実に取り付けられていて、壊れていないこと
※審査事務規程7-63-1、国土交通省「道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令等について(概要)」。
タイヤやホイールのはみ出しは別の決まりで、乗用車のタイヤ側面の文字などの部分だけ10mm未満まで認められています。
詳しくは車検とタイヤの基準の記事を見てください。
マフラーカッターは車検に通る?|突き出し・縁・取り付け方
マフラーカッターは、マフラーの出口にかぶせる飾りの部品です。
審査事務規程では、消音器の出口側の排気管に付ける飾りの部品(音を大きくするためのものを除く)の取り付けや取り外しは、加速したときの音の基準に影響しない改造として扱われます(7-56-2-2)。
そのため、マフラーカッターを付けただけで性能等確認済表示が必要になるわけではありません。
近接排気騒音の上限はそのままで、ほかに見られるのは突き出しの長さ、縁の鋭さ、取り付けの確かさです。
マフラーカッターで確かめること
- 2017年10月10日以降に製作された車は、カッターの先が車の最後端(バンパーなど)から50mm以内か
- 縁がとがっていないか(外側に鋭い突起があると通らない)
- 走っているうちに外れないよう、確実に留まっているか
- 中に音を大きくするための仕掛けがないか
マフラーカッターにあたる「エキゾースト・パイプ・チップ/エクステンション」は、国土交通省の通達で「指定部品」に入っています。
ボルトやバンドで付けた場合は、全長が変わっても車検証の記載を変える手続きはいりません。
溶接やリベットで付けた場合は、全長の変化が±3cmの範囲なら、同じく記載の変更はいりません。
どちらの場合も、付けた状態で保安基準に合っていなければ車検に通りません。
落下防止のワイヤーを付ける場合は、垂れ下がったり、外側にとがって出たりしないように留めてください。
触媒・穴あき・排気漏れ|音以外で車検に通らない理由
触媒を外すと通らない
ガソリン車は、アイドリング中の排気に含まれる一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を、マフラーの出口にプローブ(排気を採る管)を60cmほど差し込んで測ります(審査事務規程9-6)。
| 車 | CO | HC |
|---|---|---|
| 普通車・小型車(ガソリン) | 1.0%以下 | 300ppm以下 |
| 軽自動車(4サイクル) | 2.0%以下 | 500ppm以下 |
※平成10年規制以降の車(国産の継続生産車は1999年9月以降に作られた車)。それより前の車はCO 4.5%以下・HC 1,200ppm以下。
触媒を外した車は、濃度にかかわらず排出ガスを減らす装置を取り外したものとして不合格です(7-59)。
触媒ごと替えるフロントパイプやスポーツ触媒に交換した車は、排出ガス試験結果成績表の原本か写しを見せ、試験した車と構造が同じで基準に合えば認められます。
メインマフラー(触媒より後ろ)だけの交換なら、純正の触媒はそのままなので、この書類はいりません。
触媒のまわりの遮熱板も、確実に付いていて傷んでいないことが条件です。
穴あき・腐食・排気漏れ
消音器に破損や腐食がないことは、年式にかかわらず車検の基準です(細目告示第196条)。
排気管も、確実に取り付けられていて壊れていないことが求められます(7-63)。
音を測るときは、排気が漏れている場所も出口とみなします(別添9)。
継ぎ目やタイコの穴から排気が漏れていると、出口の音が小さくても、漏れている場所も測る対象になります。
マフラーの傷みを自分で確かめる
- エンジンをかけたとき、継ぎ目やタイコから排気が漏れる音がしないか
- 車の下をのぞいて、穴や、ぼろぼろにはがれるほどの錆がないか
- 吊りゴムが切れて、マフラーが垂れたり揺れたりしていないか
- 前より音が大きくなっていないか
耐熱パテやアルミテープでの補修は、一時しのぎです。
補修の跡が破損や腐食と判断されれば通らないので、穴の周りまで錆びているなら部品の交換を考えてください。
見積もりのマフラーの作業は、多くが錆を防ぐ塗装
楽天Car車検に掲載されている作業実績のうち、当サイトが車種別の記事のために集めた37ページ・7,775件の説明文を調べると、マフラーに触れていたのは208件(2.7%)でした。
そのうち約8割は防錆塗装やコーティング、継ぎ目のコーキングといった予防の作業で、本体の交換は7件、溶接での修理とガスケットの交換が1件ずつでした。
※説明文は一覧に表示される冒頭の部分で数えたため、実際の作業はこれより多い可能性がある。同じ店・同じ説明文は1件として数えた。プリウス・ノート・タントなど一部の車種の実績で、全国の車検の割合ではない。
見積もりにある「マフラーコート」「マフラー塗装」は錆を防ぐための作業で、車検に通すために欠かせない整備ではありません。
一方、穴や排気漏れの修理は通すために必要なので、どちらに当たるかを分けて説明してもらうと判断しやすくなります。
直管・消音器の取り外し・インナーサイレンサー|不正改造と罰則
消音器を外す、切る、中の消音部品を抜くといった改造は、年式にかかわらず車検に通りません。
消音器を付けない直管も同じで、その状態で運転すれば道路交通法の「消音器不備」の違反になります。
さらに2010年4月以降に作られた車では、消音部品を簡単に外せる構造も認められません。
審査事務規程では、マフラーの中の部品や外側の部品が溶接やリベットで固定されておらず、ボルト・ナット・接着で留めてあるものは基準に合わないとされています(外しても音に影響しない外側のカバーなどは除く)。
そのため、ボルトで留める後付けのインナーサイレンサーで音を下げても、この時期より後の車では基準に合いません。
車検のときだけ詰め物などで音を下げ、あとで外して基準に合わない状態に戻せば、その取り外しが不正改造にあたります(道路運送車両法第99条の2)。
排気の流れを切り替えるバルブ付きのマフラーは、バルブを動かす装置がボルト留めでも、それだけで「簡単に外せる構造」とはされません(7-56-2-1)。
ただし、表示や音量の基準はほかのマフラーと同じです。
罰則|不正改造・整備命令・消音器不備
| 違反 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 不正改造 | 保安基準に合わなくなる改造をした人は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 | 道路運送車両法第99条の2・第108条 |
| 整備命令 | 地方運輸局長が車の使用者に整備を命じ、車の前面に整備命令標章を貼る。15日以内に直した車と車検証を見せる | 同法第54条の2 |
| 整備命令に従わない | 50万円以下の罰金。6か月以内の使用停止も | 同法第54条の2・第109条 |
| 消音器不備(運転) | 違反点数2点。反則金は普通車6,000円、大型車7,000円 | 道路交通法第71条の2、同法施行令 |
※拘禁刑は、刑法の改正で懲役と禁錮に代わって設けられた刑。消音器不備は、消音器のない車や消音器を切った車などを運転した場合。
国土交通省は、警察の協力を得て公道で街頭検査を行い、基準に合わない車には整備命令を出しています。
毎年6月(沖縄は10月)は「不正改造車を排除する運動」の強化月間で、違法マフラーが重点の一つに挙げられています。
「車検のときだけ純正に戻す」という話を聞きますが、車検のあとに基準に合わないマフラーへ付け替えれば、その時点で不正改造です。
ふだん乗る状態で基準に合うマフラーを選ぶのが確実です。
マフラーが原因で車検に通らないときの対処法
対処の方法は、原因が音・表示・位置・傷み・触媒のどれかで変わります。
車検を頼んだ店で「このマフラーでは通らない」と言われたら、どの項目が理由なのかを先に聞いてください。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| 音が上限を超える | 純正に戻す。表示のある静かなマフラーに替える。傷んだ消音器を交換する |
| 表示が確かめられない(2010年4月以降の車) | 純正に戻すか、自分の車のエンジン型式が書かれた性能等確認済表示のマフラーに替える。ワンオフなら公的試験機関の試験結果成績表を用意する |
| 地上高が足りない・突き出しが大きい | 吊り方や出口の位置を直す。車高を戻す。マフラーカッターを外す |
| 穴・腐食・排気漏れ | 傷んだ部分(タイコ・パイプ・ガスケット・吊りゴム)を修理か交換する |
| 触媒を外している | 純正の触媒に戻す。交換品なら排出ガス試験結果成績表を用意する |
外した純正マフラーは取っておく
社外マフラーに替えるときは、外した純正マフラーを捨てずに保管しておくと、通らなかったときにすぐ戻せます。
手放してしまった場合も、純正部品として取り寄せられることがあるので、納期と費用を店に確かめてください。
構造変更の手続きでは解決しない
「構造変更をすれば通る」という説明を見かけますが、構造等変更の手続きは、車検証の長さや重さなどの記載を変えるためのものです。
国土交通省の通達でも、部品を付けた状態で保安基準の各条項に合っていることが必要とされていて、基準に合わないマフラーを通す方法にはなりません。
社外マフラーの車は、見積もりの段階で店に見てもらう
店によっては、社外品が基準に合うかを確かめられない車の入庫を断ることがあります。
楽天Car車検に掲載されている店のページにも、カスタムの内容によっては入庫を断る場合があると書いている店があります。
断られないように、予約のときにマフラーのメーカー名・品番・表示の写真を伝え、見積もりの日に実車を見てもらってください。
ジムニーのようにカスタムの多い車の例は、ジムニーの車検の記事でも部品ごとにまとめています。
予約の前にそろえておくもの
- 車検証(初度登録年月、原動機の型式、備考欄の騒音やマフラーの記載)
- マフラーの表示(性能等確認済表示・純正の刻印・Eマーク)の写真
- ワンオフのマフラーや触媒の交換なら、試験結果成績表(騒音の成績表は交換後の最初の車検では原本)
- 外した純正マフラーがあるかどうか
- 輸入車なら、COCペーパーなど騒音の基準に合うことを示す書類
社外マフラーの車検は、見積もりで確かめてから決める
楽天Car車検で店を探すと、次のことができます。
- 1郵便番号を入れるだけで、近くの車検の店の料金と口コミを並べて比べられる
- 2見積もりの予約は無料。見積もりの日に実車を見てもらってから、車検の日を決められる
- 3店のページの注意書きや作業実績で、カスタムした車の扱いや整備の内容を確かめられる
- 4代車・土日・1日車検・輸入車対応などの条件で店を絞り込める
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ユーザー車検で不合格になったら
運輸支局などの検査場で不合格になっても、同じ日のうちなら直して、初回を含め3回まで審査を受けられます(自動車技術総合機構)。
翌日以降に直すなら、限定自動車検査証(最大15日間)の交付を受けると、不合格だった箇所の審査を受けて車検を終えられます。
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- 車検に通るタイヤの基準(はみ出しの特例も)
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車検とマフラーに関するよくある質問
- 車検に通るマフラーの音量は何デシベルまでですか?
-
近接排気騒音の上限は、今の乗用車の多くが96dB、エンジンが後ろ寄りの車は100dB、軽トラックなどの貨物車は97dBです。
古い車は103dBで、2016年10月以降に型式の指定を受けた新型車や2022年9月以降に作られた車は、車検証の備考欄の値+5dBなどで決まります。
- 社外マフラーに替えたら、車検で書類は要りますか?
-
2010年3月以前に作られた車は、マフラーの表示や騒音の書類は要りません(音量と状態が基準内であることは必要)。
2010年4月以降の車は、マフラーに性能等確認済表示などがあれば、それで確かめられます。
表示のないワンオフのマフラーは公的試験機関の試験結果成績表が必要で、触媒ごと替えた場合は年式にかかわらず排出ガス試験結果成績表が必要です。
- マフラーの刻印(性能等確認済表示)はいつから必要ですか?
-
2010年4月以降に作られた車からです。
作られた時期は初度登録年月とずれることがあるので、車検証の備考欄に「マフラー加速騒音規制適用車」などの記載があるかも確かめてください。
- JASMAのプレートがあれば車検に通りますか?
-
JASMAのプレートは業界団体の自主基準による認定で、法令で決められた表示ではありません。
2010年4月以降に作られた車には、JQR・JATA・JARIなどの確認機関の性能等確認済表示や純正の刻印などが必要です。音量や地上高などの基準も別に満たさなければなりません。
- マフラーカッターを付けると車検に通りませんか?
-
音を大きくするものでなければ、マフラーカッターは性能等確認済表示のいらない飾りの部品として扱われます。
作られたのが2017年10月10日以降の車は、先が車の最後端から50mm以内なら位置の基準に合うものとして扱われます。縁がとがっておらず、確実に留まっていることも必要です。
近接排気騒音の上限も、カッターを付けた状態で満たしていることが前提です。
- マフラーに小さな穴があります。車検に通りますか?
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消音器に破損や腐食がないことが基準なので、穴が開いていれば基準に合わないと判断される可能性が高い状態です。
排気が漏れている場所は出口とみなして音を測るため、漏れの音で上限を超えることもあります。
パテやテープは一時しのぎなので、確実に通すなら修理か交換です。
- Eマーク付きのマフラーは車検に通りますか?
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交換用マフラーのEマーク(国連の協定規則第59号など)は、加速したときの音の基準を満たす表示として認められています。
ただし、Eマークがあっても近接排気騒音が上限を超えれば通りません。地上高や突き出しの基準も同じように見られます。
- ディーラーで社外マフラーの車の車検を断られました。どうすればいいですか?
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入庫を受けるかどうかは店ごとに決めていて、社外品が基準に合うかを確かめられない車は断る店もあります。
表示の写真やマフラーメーカーの適合表を用意して、ほかの車検の店や整備工場に相談してください。純正に戻して受ける方法もあります。
まとめ|年式と表示を確かめ、見積もりの段階で実車を見てもらう
マフラーの車検は、作られた時期と車の種類で、音量の上限と必要な表示が変わります。
車検証の備考欄とマフラーの表示を確かめ、社外マフラーの車は見積もりの段階で実車を店に見てもらうと、当日になって慌てずに済みます。
- 音量の上限は乗用車の多くが96dB(後ろ寄りのエンジン100dB、貨物車97dB、古い車103dB)。新しい騒音規制の車は備考欄の値+5dBなど
- 2010年4月以降の車は、交換したマフラーに性能等確認済表示などが必要。「車検対応」の文字だけでは通らない
- 地上高は9cm以上で、後輪より後ろは離れるほど高く。出口の突き出しは2017年10月10日以降の車なら最後端から50mm以内が目安
- マフラーカッターは飾りの部品として扱われ、表示はいらない。突き出し・縁・取り付けを確かめる
- 触媒や消音器を外した車は不合格。不正改造は6か月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金
- 通らないときは原因を聞き、純正に戻すか表示のあるマフラーに替える。構造変更では解決しない
車検の店選びは、料金と対応を並べて比べる
- 1郵便番号を入れるだけで、近くの店の料金と口コミが一覧になる
- 2約6割の店がネット予約の割引を出していて、割引額の中央値は8,000円
- 3見積もりは無料なので、社外マフラーの車も2〜3店を比べてから決められる
\マフラーの相談も見積もりのときにできる/
無料見積もりの予約は約1分(楽天Car車検)
住んでいる地域の具体的な店と料金は、地域別の車検記事で比べられます。
地域別|車検が安いおすすめ店
- 東京の車検が安いおすすめ店(23区・多摩)
- 大阪の車検が安いおすすめ店(市内・北摂・堺)
- 愛知の車検が安いおすすめ店
- 神奈川の車検が安いおすすめ店
- 福岡の車検が安いおすすめ店
この記事で参照した公式情報
- e-Gov法令検索 道路運送車両の保安基準(第3条・第18条・第30条・第31条)
- e-Gov法令検索 道路運送車両法(第54条の2・第99条の2・第108条・第109条)
- e-Gov法令検索 道路交通法(第71条の2・第120条)
- e-Gov法令検索 道路交通法施行令(別表第二・反則金)
- 国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第196条(騒音防止装置)
- 国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第197条(排出ガス・排気管)
- 国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第178条(車枠及び車体)
- 国土交通省 細目告示 別添112 後付消音器の技術基準
- 国土交通省 適用関係告示 第27条(騒音防止装置)
- 自動車技術総合機構 審査事務規程
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 7-56 乗用車及びトラック・バスの騒音防止装置
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 第9章(9-5 騒音・9-6 CO及びHC)
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 別添9 近接排気騒音の測定方法(絶対値規制適用時)
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 別添10 近接排気騒音の測定方法(相対値規制適用時)
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 7-3 最低地上高
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 7-63 排気管
- 自動車技術総合機構 審査事務規程 7-59 排気管からの排出ガス発散防止装置の機能維持
- 自動車技術総合機構 よくある質問(後付け自動車部品関係)
- 自動車技術総合機構 再入場(不適合の場合)
- 国土交通省 交換用マフラー事前認証制度
- 国土交通省 後付消音器の登録性能等確認機関の公表
- 国土交通省 登録性能等確認機関の性能等確認済表示
- 国土交通省 交換用マフラーを備えた四輪自動車等の騒音規制の取扱いを見直します
- 国土交通省 交換用マフラーを備えた二輪自動車等の騒音規制の取扱いを見直します(性能等確認済表示の「A」)
- 国土交通省 自動車騒音規制の推移
- 国土交通省 マフラー(消音器)に対する騒音対策(平成22年4月以降製作車の基準)
- 国土交通省 道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令等について(排気管の向きの基準の廃止)
- 国土交通省 自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて
- 国土交通省 指定部品の一覧
- 国土交通省 不正改造に対する罰則等
- 国土交通省 不正改造車を排除する運動
- 国土交通省 街頭検査
- 国土交通省 電子車検証 備考欄情報
- 環境省 中央環境審議会 四輪車及び二輪車の近接排気騒音規制の取り扱いについて
- 国土交通省 細目告示 旧別添20 外装の技術基準(協定規則第26号と調和。排気管の10mm)
- 警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
- 日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会 JASMA認定マフラー
- 日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会 NAPACのご紹介(沿革)
- 楽天Car車検 ご利用ガイド

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